キー教科としての英語 本文へジャンプ

英語を制する者は受験を制する 


●公立高校受験では、英語の配点は500点満点中の100点。五分の一の配点です。自ずと、重要度もそれなりに、他教科と同じ扱いです。○大学受験においては、共通テスト入試を考えれば、英語は読解100点とリスニング100点を、200点満点と換算されて、900点満点中200点ですから、九分の二の配点…。※

●しかし、この「数字」だけで、重要度が判断できるのでしょうか?受験教科の国語・数学・英語は、成績を伸ばすのには時間がかかる教科です。特に大学受験で「キー教科※※」になります。


●国公立大受験で「共通テストのキー教科は数学、2次試験では英語」の場面が多いことをご存知でしょうか。共通テストでは、文系・理系を問わず、数学で大きな差がつきます。
○文系の場合、英語や国語を得意科目とする受験生が多数いますから、これら2教科では大きな差はつきにくいですが、理科や数学を苦手とする受験生も多数いることから、これら2教科ができるかどうかが、点差が開く大きなポイントとなってきます。
○理系では、数学で差がつく理由として、解法の仕方を固定している点です。他の、もっと適切な解法を知っていたとしても、共通テスト側が要求する解法を知らないと、得点になりません。他には、社会があげられます。文系における理科よりも得点差がつきやすいためです。
○2次試験では、文系・理系共に、英語がキー教科です。文系では英語の配点が高いですし、理系では皆が得意な数学・理科よりも、英語で差がつきやすいからです。
○医学部は、2次試験では理科の場合が目立ちます。が、医学部はバランスのとれた学力を要求されますので、やはり、英語をおろそかにはできません。中堅・及び上位の私立医系大受験生の多くは、国公立大との併願者なので、数学や理科を得意料目としている可能性が高く、この
2教科では差がつきにくくなることも要因です。


●私立医系大のキー教科をみると、ほとんど英語で合否が決まる、と言っても過言ではありません。これは国公私立医系大には共通のことですが、入学後、医学書の原典を読みこなす読解力を持っていることが必要であるからですし、中堅・及び上位の私立医系大受験生の多くは国公立大との併願者で、数学や理科では差がつきにくくなることは先ほど述べたとおりです。ですから、むしろ英語の得点が高いか低いかが、合否決定につながると考えられます。


●キー教科が英語に偏りがちな原因は、出題者側にもあるのです。国公私立大全てにおいて、理系・文系問わず、英語の配点を他教科に比べると同じか、特に、文系と医学系の場合、高くとっているケースが多くあるからです。「英語を制する者は受験を制する」という言葉がありますが,まさにその通りです。英語を苦手としている受験生は、特に医系志望者は、学習計画を見直す必要があります。数学・理科に時間を取られすぎない時間管理が必要となってきます。


●ある受験指導の専門家が、「高校3割、大学3割で、人生が決定する…」とおっしゃいました。穿った見方でこの言葉を解釈すると、とんでもないことになりそうです。しかしながら、その割合は別にしても、大学卒業後に選択する職種によっては、その言葉の通りに、「高校・大学が後の人生を決定する事実」は、大いにありそうです。


●「中学・高校時代の過ごし方次第で、その後の自分の人生が大きく変化する」ことを信じて疑わないなら、もっと、苦手な科目・教科に挑戦する必要がありますよね。「自分の夢」は何なのか、それを実現するために「今、何をしなければならないのか」を、いっしょに考えてみましょう。


(注)
※@〈文系受験者〉 6教科7科目900点満点=英語・国語・数学(2科目)・地歴・公民・理科(1科目)

A〈理系受験者〉 5教科7科目900点満点=英語・国語・数学(2科目)・地歴または公民・理科(2科目)

※※キー教科:その大学・学部の合否を決定する、特に重要な教科をいう。